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「踊り衣裳制作記録3」
2023.08.09

無事に阿吽の鳳凰と衿で合計10枚の型紙が完成しました。

ひがしやは小さな工房なので反物を2つか3つに分けて制作しています、何度も寸法を確認してからお預かりした美しい反物に鋏を入れます。

数ミリのずれが完成した時の印象を大きく変えてしまうので緊張の型置きの工程はあまり写真は残っていません。

 

(1本目の型置きが無事に終わった様子  画像1)

鳳凰の古典衣裳は全体に赤い顔料が配色から隈取りまでふんだんに使われていました。

尾羽の先端部分2ミリほどの部分が特に細かく色分けがされていて、当時の職人の強い意志を感じました、時を超えて緊張が伝わってくるような感覚は本当に不思議です。

尾の配色パターンが阿吽の位置で変わるので配色間違いに気をつけながら進めました。

鳳凰衣裳の瑞雲は首里城正殿の向拝柱の五色之雲と同じ5色の配色です、瑞雲は五穀豊穣と無病息災をもたらす知らせとして、おめでたいことの前兆に現れる雲なのだそうです。

 

彩雲という雲の一部が虹色に見える自然現象があるのですが、瑞雲と関係があったりするのかな。

貴重で色鮮やかな顔料がふんだんに使われた豪華絢爛な衣裳は、時に琉球王国の力を示すためにも存在していたのだという事を制作を通して実感します。

 

 

色差し→隈取(画像2.3)

水元→ビンウシ→地染め(画像4.5.6.7)

古典衣裳は顔料の石黄で地染めされていたようです。

今回も顔料と相性が良い生地だったので、全体を顔料で染めています。

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